静岡県の西部に位置する「磐田地域」は、温暖な気候と肥沃な大地、天竜川水系の豊かな清流に恵まれた、メロン栽培のまさに好適地です。また、一年を通して日照時間が長いことも、太陽の光がたっぷり必要なメロン栽培に最適な環境といえます。
メロン栽培には、温室メロン、ハウスメロン、露地メロンの大きく3つにわけられますが、磐田では温室メロン栽培が行われています。温室は、太陽の光がたっぷり取り込めるよう南側の屋根の面積が大きくなった、メロン栽培専用のガラス温室が使われています。
温室内では隔離ベッドと呼ばれる、文字通り地面から離して栽培を行っています。隔離ベッド栽培は、メロンが余分な水分を吸わないよう調整できるので、メロンの生育を自由自在に制御することができます。また、連作による病気や障害も発生しにくく、一年中甘くておいしい高品質なメロンが栽培できます。
水やりの量やタイミングは、季節や天候、メロンの生育状況によって日々変わるため、きめ細かな水管理が必要です。どの生産者も、毎日1本1本的確に調整しながらていねいに灌水作業を行っています。
メロンは温度に敏感で、夜間の1℃の違いでも生育が大きく変化します。そのため、最新のコンピュータ技術を導入して温度管理を行う生産者も増えています。また、冬は温室内に配管されたパイプに温湯を循環させ、暖房を行っています。
メロンの栄養分が1個の実に集中するよう1本の木から1個の実だけをつくります。交配のためには枝を3本伸ばしますが、その中から最も形のよい実を1個選び、残りの2個は摘み取って漬物などに利用します。